★日野用水開削450年 日野の「宝」用水を未来に伝えよう 用水とは、日本の食生活に欠かせない米作りのため人によって田んぼに引かれた水路のことです。 かつて日野は、「多摩の米蔵」と言われたほど米作りが盛んな土地でした。 それを物語るように、市内には網の目のように用水が張り巡らされ、今でも現役で田んぼを潤す役割を果たしています。 また、市は平成18年に「清流保全ー湧水・地下水の回復と河川・用水の保全ーに関する条例」を定めて、 用水の年間通水だけでなく、日野の水辺環境保全に向けた制度を整えました。 これにより、多くの動植物がみられる豊かな環境を生み出し、用水路を市民共通の財産としてきました。 先人が残してくれた恩恵である用水を、市民みんなの宝として次代に伝えていくために、共に取り組んでいきましょう。 ◎郷土資料館 日野用水開削450周年記念特別展 ~日野人が守り育てた緑と清流~ [お問い合わせ]郷土資料館(電話番号042・592・0981) 江戸時代元禄16年(1703)の古文書「挨拶目録」によると、 日野用水は450年前の戦国時代永禄10年(1567)に、佐藤隼人が北条氏照から罪人をもらい受けて整備したとの記述があります。 展示では、市内用水の歴史的変遷を発掘調査の成果や古文書などからたどっていきます。 また、さまざまな生命を育んできた用水の自然や、昭和30年代以降の水辺環境の悪化から、 かつての美しい用水を取り戻す取り組みについて紹介します。 [会期]9月30日(土)~12月3日(日)9時30分~17時0分※入館は16時30分まで。 毎週月曜日休館、ただし10月9日(祝)は開館し、10日(火)は休館 [会場]新選組のふるさと歴史館 [入館料]200円※小・中学生50円 ■会期中の催し いずれも[申込]9月5日(火)9時0分から電話 ▼講演会「日野市域を流れる用水の謎~その開削時期を考える」 [日時]10月28日(土)14時0分~16時0分 [会場]市役所5階505会議室 [講師]渋江芳浩氏(あきる野市文化財保護審議会委員) [定員]申込制で先着80人 ▼子ども集まれ!よそう森堀で遊ぼう!「用水生き物探し」 [日時]10月29日(日)9時30分~12時0分 [定員]申込制で先着20人 [講師]カワセミハウス職員 ▼見学会「JR日野駅直下、日野煉瓦造の山下堀アーチコルベルトに潜る!」 [日時]11月23日(祝)(1)10時0分~11時30分(2)14時0分~15時30分 [定員]申込制で各回先着14人 ▼バス利用見学会「グルっと日野用水ひとまわり!」 [日時]11月25日(土)9時30分~16時0分 [定員]申込制で先着20人 《写真》 (1)日野用水のはじまりを伝える「挨拶目録」(元禄16年、佐藤信行家所蔵) (2)日野用水が描かれた最も古い絵図(貞享〈じょうきょう〉元年、佐藤信行家所蔵) (3)八丁田んぼ(昭和30年頃、真野徹家所蔵) (4)山下堀の日野煉瓦造トンネル(日野駅の下に現存) (5)コサギ(豊田用水、岩井満夫氏撮影) ◎日野用水開削450周年記念シンポジウム 日野用水450年…昨日と今日・そして明日へ [お問い合わせ]緑と清流課(電話番号042・514・8309) 日野用水は、開削以来現在まで多摩川から水を引いて日野の米作りを支えてきました。 また、住宅地のそばにありながらも生き物を育む豊かな自然環境に恵まれ、子供たちは用水に親しんでいます。 この日野用水をはじめ市内に流れる六つの用水は、市民の皆さまの努力により、水の郷・日野の宝となっています。 この宝を未来に引き継いでいくために今後何をしていくべきなのか、皆さまと共に考えるシンポジウムを開催します。 ぜひご参加ください。 [日時]10月15日(日)13時0分~16時15分 [会場]ひの煉瓦ホール(市民会館)※直接会場へ (1)13時10分から…基調講演「日野の用水とベネチア」 [講師]陣内秀信氏(法政大学教授) (2)14時20分から…清流ポスター表彰式 [内容]市内小・中学生の作品から、最優秀・優秀の合計30作品を表彰 (3)14時50分から…パネルディスカッション「日野の用水の現状と課題」 [パネリスト]小坂克信氏(立川市文化財保護審議会委員)、福島久夫氏(日野用水土地改良区役員)、カワセミハウス事務局長など 《地図》 日野市には総延長116キロの用水が流れています ◎表紙のひと…天野武雄さん 日野用水土地改良区理事長 日野用水開削450周年記念事業推進委員会会長 天野さんをはじめ日野用水土地改良区の皆さまは、ご自身の農業だけでなく、近隣小学校の5年生の米作りに協力しています。 田んぼ作業で体験を共有し米の生育を見守る親子の姿や、 用水路で水に親しむ子供たちのエビや魚を捕った時の楽しそうな笑顔がうれしいと語ってくださいました。 市民と市が協働して水をきれいにしたことで、魚が戻り子供たちが遊べるようになった用水。 市民みんなの宝として次世代に引き継いていけるよう、さまざまな力を結集して活動を進めています。