特集 歯とお口の 健康(その3) ★体と同じように、お口の状態も年齢とともに変化します。 いつもピカピカの元気な歯で過ごせるように、それぞれのライフステージに合ったお口のケアに取り組みましょう。 ◎お口の健康を維持するためのライフステージごとのポイント ▼乳幼児期 乳歯は永久歯に比べてやわらかいため、むし歯になりやすく、早く進行していきます。 乳歯をむし歯から守るのは保護者の役目です。仕上げみがきを行って、お口の中を毎日チェックしましょう。 ▼学齢期 この時期は、乳歯と永久歯が混在するため、歯ブラシが当てにくく、みがき残しが多くなります。 お子さまの学校検診の結果を知っていますか?むし歯があった場合は早めに治療しましょう。 ▼思春期 保護者の目が行き届かなくなり、歯みがきを怠りがちになる時期です。 また、間食や夜食の機会も増えるため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。 大学生になると学校での歯科検診もなくなります。 この時期にかかりつけ歯科医を持ち、定期的に検診を受けることを習慣にしましょう。 ▼成人期 成人の約8割が歯周病と言われています。歯周病は歯を失う原因の第1位です。 成人期に増える肥満や不規則な生活、喫煙なども歯周病と深く関連しています。 基本的な生活習慣を整えることも歯には大切です。 ▼高齢期 だんだんと「噛む」「飲み込む」といったお口の機能が低下していきます。 このような状態は誤嚥性肺炎※などのリスクを高めてしまうので、お口の機能を維持することが大切です。 ※食べ物や唾液を飲み込もうとして誤って気管に入ってしまい、肺の中で細菌が繁殖して引き起こされる肺炎。 日本人の死亡原因の第3位は肺炎であり、高齢者にとっては死亡につながりかねない病気です。 ●みがき残しをなくそう! 仕上げみがきのコツ 子供のむし歯予防には、保護者の仕上げみがきが欠かせません。 仕上げみがきが必要なのは、一般的に8・9歳頃までと言われていますが、 乳歯と永久歯が混在する時期はみがき残しが多くなるので、永久歯が生えそろう12歳頃までは、仕上げみがきを行いましょう。 ▼ブラシは歯の面にまっすぐ当て、細かく動かします。 ▼上唇と歯茎をつなぐスジ(上唇小帯)に歯ブラシが当たらないよう、ブラシを持っていない方の手の人差し指で上唇を持ち上げ、 ガードしながらみがきます。 ▼足を開き、その間に子供を仰向けに寝かせて、ももとひざで挟んで体を固定します。 ★感染防止のために むし歯菌は、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはいません。 大人の使用したストローやスプーンなどで感染します。 感染予防のために、保護者もお口のケアをして保護者自身のむし歯をなくすことが大切です。 ●歯周病を予防しよう! ブラッシングのポイント 歯みがきには、歯の形状や場所によって効果的なみがき方があります。 むし歯や歯周病予防のために、正しいブラッシングを身につけましょう。 ▼かみ合わせ部分のみがき方 歯の上部にブラシを当てて、前後に小刻みに動かします。 ▼前歯や犬歯のみがき方 歯の側面にブラシを垂直に当てて、上下に動かし1本ずつみがきます。 ▼歯周病予防に効果的なみがき方 歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当てて、軽い力で前後に動かします。 《みがき残しの多い場所》 奥歯の奥 前歯の裏側 ※治療したところの周りは汚れが溜まりやすいので注意しましょう ★生活習慣を見直そう 寝不足や不規則な生活は、体の免疫力を低下させ、歯周病菌に感染しやすくなります。 規則正しい食生活や適度な運動習慣を身につけ、十分な睡眠をとるよう心掛けましょう。 また、タバコは歯周病のリスクを高め、治りにくくします。 ●お口の機能をアップしよう! お口のかんたん体操 運動で足腰を鍛えるように、お口の機能もトレーニングで改善できます。「お口の体操」を毎日の習慣にしましょう。 ▼口を閉じたまま、頬をふくらませたりすぼめたりする。 ▼口を大きく開けて、舌を出したり引っ込めたりする。 ▼舌を出して上下左右に動かす。 ▼口を閉じて、口の中で舌を上下左右に動かす。 ★入れ歯のお手入れを 入れ歯を汚れたままにしておくと、口臭や歯周病の原因になります。 食後はなるべく時間をおかずに取り外して洗浄しましょう。 また、残った歯や歯茎も、きちんとみがきましょう。